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🌟基礎栄養学講座パート12🌟

 はじめに
 前回は「合成」と「分解」についてお話をしました。
 通常は平衡を保っているのですが、それでは身体づくりにはなりません。「合成」を高め、「分解」を抑えるということが身体づくりの基本となります。では、どのようにしてバランスを崩していけるのかを考えてみましょう。
 それでは知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。
 
目次
・合成はどうやって高める?
・おわりに
 
◆合成はどうやって高める?
 まずは、「合成」が最も高い時とはいつでしょうか。おそらく、成長期の子供の頃が体内の「合成」が最も進んでいる時ではないでしょうか。逆に筋肉が落ちてくるといわれる高齢者では「合成」が最も落ちている時ともいえます。
 
 では成長期が終わったら「合成」は来ないのでしょうか。そのようなことは決してありません。研究によれば80代の高齢者でも筋肉の肥大は観察されており、「合成」を刺激することはどのような年代でも可能ということです。
 
 成長期に「合成」が進む、すなわち成長期の何かが、「合成」を強く刺激しているということにはお気づきでしょうか。成長期の何かとは・・・そう、「成長ホルモン(グロースホルモンともいわれます)」です。ちなみに大人になると分泌量こそは減りますが、成長ホルモンが失われているわけではありません。
 
 例えば、適切な運動(筋への刺激)は、運動直後から成長ホルモンの分泌を促します。そしてその効果は持続的に数十時間続くといわれています。また、ある種のアミノ酸は成長ホルモンの分泌に関与しているといわれており、食後数十分から数時間で合成を刺激します。そしていうまでもなく、質の高い「睡眠」も成長ホルモンの刺激には欠かすことはできず、「運動」「栄養」「休養」の3つの柱をバランスよくというのは、古今東西、変わらない身体づくりの大原則といえるでしょう。
 
◆おわりに
 これまで多くの競技者と接してきましたが、その中で感じたことは「量」が大切なのはもちろんですが、合成の刺激という観点では圧倒的に「質」と「タイミング」ではないかと考えています。「運動」の内容と時間、「食事」の内容と時間、そして十分な「休養」を取るための「時間管理(タイミング)」。
 根性論のようにただトレーニングを積み重ねれば強くなるは、もう過去の話ではないかと思います。もちろん、「質」の高いトレーニングをたくさんできることが最大の結果に繋がるとは思いますが・・・。
 
 長くなりそうでしたので、今回はこの辺りで切ります。次回も引き続き、タンパク合成を高めるための食事の「量」「質」「タイミング」についてお話したいと思います。
 それでは次回もお楽しみに!!
2018年05月31日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート11🌟

はじめに
 前回のコラムでは、「消化と吸収」についてお話しました。
 口から入った食べ物は消化器官の中で、時間をかけて少しずつ体内に入ることができる小さな物質になり、腸から徐々に吸収されます。すなわち、口に入れるまでを気をつけるのではなく、よく噛んで食べる、食べてすぐは消化のための時間を十分に作るという一連の行動も身体づくりに必要だと理解いただけたと思います。
 今回は体内に入ってからの「合成と分解」についてお話をします。
 引き続き、知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。

目次
・合成と分解?
・おわりに
 
◆合成と分解?
 腸では様々な栄養素が吸収され、血液を介してそれぞれの役割に応じて、全身に運ばれます。
 その役割の中でも今回はスポーツと密接に関係する「エネルギー産生」と「身体づくり」について考えたいと思います。
 
 「身体づくり」のために血液中にある様々な栄養素を組織に取り込むことを「合成(または同化)」と言います。わかりやすい例をあげれば、筋肉に必要なたんぱく質(血中ではアミノ酸)を取り込み、筋肉を大きくする(あるいは修復する)ことがその一例です。
 
 では、「分解(または異化)」とはどういう現象でしょうか。簡単にいうと、合成の反対です。身体の成分を壊して、血中に放出することです。例えば、エネルギーを作るために肝臓や筋肉に蓄えているグリコーゲンを分解して、糖質(血中ではグルコースなど)を血液に送り出します。すなわち、身体の一部を壊して生きるため、活動をするためのエネルギーを作っているということになります。
 
 このように体内では絶えず、「合成」と「分解」が行われますが、この一連の働きを「代謝」といい、生きている限り止まることはありません。また、「合成」と「分解」はバランスをとる(平衡を保つ)ようになっており、通常通りの生活で著しく身体を作る、破壊するということに傾くことはありません。
 
◆おわりに
 今回は「合成」と「分解」の基礎についてお話をしました。
 上述の通り、通常はこの2つは平衡を保つようになっています。では、身体づくりはできないのでしょうか。
 答えは「No!」です。「合成」と「分解」にはそれぞれ刺激を与えることで強くなったり、弱くなったりします。この刺激の要因が運動や食べることです。
 正しい情報を元に知識を身につけることで、「合成」を最大限に高めることは可能です。
 次回は「合成」を高めるということに着目したいと思います。
 
2018年05月10日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート10🌟

はじめに
 本日は聞き慣れない栄養学用語について解説をします。
 特に「消化と吸収」は関連が深い言葉なので、セットで覚えておくと良いでしょう。
 それでは知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。

目次
・消化と吸収?
・おわりに
 

◆消化と吸収?
 食べ物は口に入れると、食道を通り、胃、小腸、大腸を通り、この間に食べ物は消化され、吸収され、最後の残りカスが便として排泄されます。
 
 では、「消化」とはどのようなことをいうのでしょうか?
 「消化」とは、大きな物質を細胞膜が通過できるまで小さくすることです。イメージしてください・・・米粒が血管の中を通ることができるでしょうか?できるわけがありません。
 
 例えば口で食べて噛むと食べ物が徐々に小さくなりますが、これが最初の消化ということになります。さらに噛んでいると唾液が出てきますが、唾液の中にも「消化酵素」が含まれており、これは糖質の消化に関与する物質です。このように口、胃ではどんどん物質が小さく、そして液状になっていきます。
 その後、小腸に進み、様々な臓器から出てくる消化液で、食べ物はさらに小さな分子(たんぱく質であればアミノ酸)まで分解され、多くの栄養素が小腸で、水分が大腸で「吸収」されていきます。
 
 では、「吸収」とはどういうことをいうのでしょうか?
 「吸収」とは、小さくなった分子が小腸などから血液中に取り込まれることをいいます。血液中に入ると、それらの物質は血管を介して全身に運ばれて様々な働きをしてくれます。
 例えば、たんぱく質が筋肉に取り込まれれば筋肉の材料に、糖質が肝臓に取り込まれたらエネルギー源になるということです。
 
 すなわち、食べ物は食べるだけではその役目を果たすわけではなく、まずは「吸収」されて体内の必要なところに運ばれなければいけないということです。これが前々回にお話をした「栄養」ということになります。
 
◆おわりに
 最後に噛むという行為についてお話をしましょう。
 皆さんはよく噛んで食べていますか?噛むという動作は、最初の消化と伝えたようによく噛むことでその後の吸収や胃腸への負担を減らすことができると考えられています。
 たくさん食べる選手の中にはよく噛んでいると食べる時間がかかって仕方がないという声を聞きますが、日々疲労と戦っている選手だからこそ、よく噛んで胃腸の負担を減らすことはもちろん、材料をしっかり消化できるようにしてもらいたいと思います。
 それでは次回もお楽しみに!!
2018年04月26日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート9🌟

はじめに
 前回のコラムでは、「栄養と栄養素」についてお話しました。栄養素は材料、栄養は体で利用することで、材料は口にするだけでは意味がなく、利用しなければいけないということをイメージしていただけたかと思います。
 今回も似ているようで似ていない「食物と栄養素」をテーマにしたいと思います。
 引き続き、知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。
 
 
目次
・食物と栄養素?
・おわりに
 
◆食物と栄養素?
 人が口にする食べ物(=食物)といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?主食とは主に食べるもの(=最も多く食べるもの)で、世界中で異なりますが、日本では「米」ということになります。日本人の米離れが進んでいるとはいえ、まだまだ主食といえば「米」ということになるでしょう。
 その他にも、パン、麺類、肉類、野菜、果物、牛乳・・・全てが食物ということになります。
 
 では、少しだけ五大栄養素のおさらいです。
 
 五大栄養素といえば、「炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミン」があり、それぞれ様々な役割があります。役割は大きく分けると「エネルギー産生、身体の構成成分、機能の調節」になります。
 
 スポーツ現場で仕事をしているとこのようなセリフが聞こえてきます。
 
「エネルギーをとるのに炭水化物を摂ります!」
 
 よしよし、だいぶ意識できるようになってきたなと、手に持っているおにぎりをほうばりこう続きます。
 
「米って炭水化物なんですよね?」
 
 確かに炭水化物は多いけれども・・・「米=炭水化物」というイメージが強いことに驚かされます。ご飯100g中には約35gの炭水化物が入っていますが、残りの約65gは別の物質が入っているのです。
 例えば、精白米ではなく玄米であれば、ビタミンB群や食物繊維も豊富ですし、選手であれば多くのご飯を摂取するため、主食から摂取できるたんぱく質量も卵や豆類に匹敵する摂取量になります。
 
 人間の身体が様々な栄養素で作られているように動物や植物の身体も様々な栄養素で作られています。単一の栄養素だけとれるとすれば、それは「純水」だけでしょうか。
 色々な栄養素を複合的にとることができる・・・それが「食物」のいいところです。
 
◆おわりに
 今回は「食物(=食べ物)」についてお話をしました。食物は複合的に栄養素をとることができますが、それぞれ特徴があり、豊富なもの、不足しやすいものがあります。多くの種類の食物を食べるということは、それぞれの特徴により補い合い、必要な栄養素を必要な量をとることに繋がります。ここにバランスよく食べましょうという本質が隠れているように思います。
 
2018年04月12日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート8🌟

はじめに
 これまで様々な栄養素を取り上げ、その働きの概略や必要量について簡単にお話ししてきました。もう一度言います・・・栄養素のお話をしてきました。
 栄養素と栄養・・・混同して使っていませんか?実は「素」がつくのとつかないのでは大違い。そんな細かいことまで知ってあなたも栄養学博士になりましょう。
 では引き続き、知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。

目次
・栄養と栄養素?
・おわりに

◆栄養と栄養素?
 人は食事をとることによって、生命を維持し、さらには健康の保持・増進をしています。すなわち食べることによって、人は生かされているということです。
 このように生命活動を営むため、体の外から食物を取り入れ、これを利用する過程を「栄養」といい、取り入れる物質を「栄養素」といいます。一般的に「栄養」を摂ると言うことが多いですが、これは間違いで、「栄養素」を摂るというのが正解になります。
 すなわち「栄養学」は「栄養素」の働きを知ることではなく、体の中にどのように取り込まれ、変化し、使われていくのかということを学ぶ必要があります。例えば、炭水化物が多い食べ物を知るだけでは不十分で、口にして、吸収して、利用する、ここまで学ぶのが栄養学ということになります。
 
 たくさん食べているのに太ることができない、食べる量を減らしたのに痩せることができない・・・何故??
 
 それは口に入るまでしか考えていないから、身体が思うように変化しないのかもしれません。もっと自分の身体を知り、もっと食べ物を知り、そして何が問題なのか気づくことができればいいですね。
 
◆おわりに
 さて、今回は栄養学の本質という少しディープなお話をしました。
 栄養学を深く知るためには色々な小難しい単語が出てきますが、わかりにくいことをわかりやすく解説をモットーに、これからも深い栄養学の世界を紹介できればと思います。
 それでは次回もお楽しみに!!
 
2018年03月29日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート7🌟

はじめに
 前回までのコラムでは、五大栄養素として「たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル」についてお話しました。
 今回は体の構成成分としては最も量が多く、体調管理には必須な「水」の働きや機能についてお話します。
 引き続き、知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。
 
目次
・水とは?
・おわりに
 
◆水とは?
その1 水の働き
 水は成人で体重の約60%と体の構成成分として最も多く体内に存在します。乳幼児では70%前後、高齢者では50%強と年齢とともにその割合が低下していきます。
 水の働きは血液として全身に栄養素を運ぶ「運搬」、細胞内外の水分として細胞の環境を保つ「環境維持」、そして最も重要な働きである発汗することによる「体温調節」の3つに大別されます。
 
その2 水の出入り(水分出納)
 水は飲料水だけでなく、食品中にも見えない水が存在しており、それぞれ摂取することで、体内に吸収されます。さらに身体活動などによりエネルギーを作る際にも体内で水が発生し、それら全てが体内水分として利用することができます。
 スポーツなどをせずに適温の日常生活のみでも、毎日2000〜2500mlの水が失われるため、見合った量の飲料水や食事が必要になります。すなわち、夏の暑い日やスポーツ活動をすることで発汗するとより多くの水が必要になることは言うまでもありません。
 
その3 水の必要量
 体内の水を失う経路として、汗、尿がありますが、呼気の中にも水蒸気が出るため、厳密な水分損失を知ることは困難です。
 では必要量がとれているかはどのように判断すれば良いのでしょうか。スポーツ前後では運動前の体重と運動後の体重差を見ることが最も手軽で良いでしょう。運動前後の体重差が運動前体重の2%以内に収まるように、適宜水分補給をすると良いでしょう。
 また、日常生活では体重測定を行うことが困難です。そういった場合は、尿の色を確認しましょう。体内水分が少なくなると尿量が減り、尿が濃縮され黄色に変色してきます。尿の色がいつもより濃くなってきたときは脱水が進行しているかもしれません。
 
◆おわりに
 今回は水に関する基本的な考え方と水分必要量の目安についてお話ししました。最近では5月頃から脱水症状で大規模な熱中症事故も起こっています。特に子供や高齢者の方は脱水症状になりやすいため、積極的な水分補給はもちろん、自分の水分の状態を確認する癖をつけると良いでしょう。
 
2018年03月15日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート6🌟

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はじめに
 前回は、微量栄養素である「ビタミン」についてお話しました。
 今回は同様に微量栄養で代謝機能や体調管理だけでなく、体の構成成分でもある「ミネラル」の働きや機能についてお話します。
 今後も引き続き、知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。

目次
・ミネラルとは?
・おわりに
 
◆ミネラルとは?
その1 ミネラルの働き
 ミネラルもビタミンと同様に多くの種類があり、それぞれに異なる働きがあります。ミネラルの主な働きは体内の様々な代謝機能を助けるだけでなく、例えばカルシウムやマグネシウムのように骨の主成分になったり、鉄のように赤血球の主成分になったりします。
 ミネラルは摂取量(≒必要量)により大別することができ、「多量ミネラル」と「微量ミネラル」の2種類があります。誤ってはいけないのは、摂取量が多いから重要であるではなく、体内で全く合成することができないミネラルは微量でも摂取することが必要になります。
 
その2 ミネラルの消化と吸収
 ミネラルは全般的に吸収が悪いことが知られており、中でも植物性の鉄である「非ヘム鉄」などは5%未満と特に低いことが知られています。このように吸収率が悪いミネラルは食べ合わせや吸収率を高める食品を同時に摂取することが推奨されています。
 一方で多量に摂取することで腸管に負担がかかり下痢症状を引き起こすことがあります。例えば、軟水(日本の水道水など)が中心の日本人が硬水(海外性の一部ミネラルウォーターなど)を飲むと下痢をするというのも、多量のマグネシウムを摂取することに起因していると考えられています。
 
その3 ミネラルの必要量
 ミネラルもビタミンと同様に種々の栄養素別で摂取量が異なります。
 習慣的に欠乏することで、様々な欠乏症状が見られますが、ビタミンとは異なり、一定数の欠乏症が知られています。
 最もよく知られている欠乏症として「鉄欠乏性貧血」があり、成長期の子供やアスリートでは、一般成人に比べて多くの人で症状が見られます。貧血の主な症状として酸素運搬能力の低下があり、倦怠感や有酸素能力の低下が起こります。
 次に多く見られるのが、長期的にカルシウムが不足した場合、「骨粗鬆症(中高年)、くる病(子供)」という骨が脆くなるという症状が見られます。骨は身体の中心であり、単に体を支えるだけでなく、体を動かすという意味でも大切な組織になります。また、アスリートで骨折が起こると長期のリハビリが必要になるため、競技において非常に大きなマイナスになります。
 これら以外にも様々な症状が見られますので、参考に欠乏症と過剰症の別表をご覧ください。
 
◆おわりに
 最後に、ミネラルもビタミンと同様に多くのサプリメント類があります。様々な効能を謳うものがありますが、まずは日々の食事で十分に摂れることが大前提になります。サプリメントはあくまでも「補助食品」であり、食事という土台がなければその効能を期待することはできません。
 
 さて、今回はミネラルの基本的な考え方と一部欠乏症状についてお話ししました。しかし、食事の土台は日常の食事だけでも十分に達成することはできるでしょう。まずは皆さんの日々の食事を振り返って見てください。
 それでは次回もお楽しみに!!
2018年03月08日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート5🌟

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はじめに
 前回までのコラムでは、三大栄養素(最近ではエネルギー産生栄養素という)である「たんぱく質、脂質、炭水化物」についてお話しました。
 今回は代謝機能や体調管理に重要な「ビタミン」の働きや機能についてお話します。
 今後も引き続き、知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。

目次
・ビタミンとは?
・おわりに

◆ビタミンとは?
その1 ビタミンの働き
 ビタミンは多くの種類があり、それぞれに異なる働きがあります。ビタミンと広義で考えると、主な働きは体内の様々な代謝機能を助けたり、抗酸化作用のように直接的に働いたり、体調を整えるために働きます。
 ビタミンを大別すると油に溶けやすく、水に溶けにくい「脂溶性ビタミン」と水に溶けやすい「水溶性ビタミン」の2種類があります。「脂溶性ビタミン」はビタミンA、D、E、Kがあり、「水溶性ビタミン」は主にビタミンB群、Cがあります。
 
その2 ビタミンの消化と吸収
 「脂溶性ビタミン」は油に溶けやすい性質があるため、油を使用した料理にすることで、体内に吸収されやすくなります。主に緑黄色野菜に多く含まれる栄養素であり、例えばほうれん草などの青菜も単に茹でて食べるより、バターなどで炒めて食べることで効率よく「脂溶性ビタミン」を吸収することができます。油を摂りすぎたくない場合は、肉や魚と一緒に食べるということでも良いでしょう。
 「水溶性ビタミン」は水に溶けやすい性質があるため、調理による損失に気をつけることで、体内に取り込む栄養素が増えます。例えば、水洗いや水に浸すということでも損失することが知られています。葉物に比べ、いも類は損失が少ないことも知られており、調理方法によって素材を使い分けるのも良いでしょう。また、汁物は汁中に溶け出しますが、汁まで飲むことで「水溶性ビタミン」を摂ることもできます。
 
その3 ビタミンの必要量
 ビタミンは微量でも体の生理機能を調節する物質ですが、種々のビタミンによってその必要量は異なります。
 摂取不足により体内の生理機能を失い、何かしらの欠乏症状が見られない量が現在の最低限の必要量と考えられています。日本人では、今のところ、欠乏症はほとんど報告されていませんので、最低限の必要量は摂取できていると思われます。
 ただし、この最低限というのは生きていく上での必要量となりますので、体内の生理機能を最大限に発揮する、運動により多くのエネルギーが必要になるなど、体内のビタミンが多量に必要な場合には、当然ビタミン不足といえます。厳密な必要量を決めることは大変困難になりますが、成長期の子供やアスリートの皆さんは積極的にビタミン摂取することをおすすめします。
 
◆おわりに
 今回はビタミンの基本的な考え方と最低限の必要量をお伝え致しました。
 一方で通常の食事のみではおそらくありませんが、プロテインをはじめサプリメント類を摂取している方は、欠乏とは別に単一の栄養素を過剰摂取する可能性があります(相対的栄養不足を含む)。
 特に複数のサプリメントを使用している場合には1日の総量に十分注意して、可能であれば管理栄養士などに相談の上ご使用ください。
 
 以下に、それぞれのビタミンの欠乏症と過剰症を掲載しておきますので、まずは参考にしてください。それでは次回もお楽しみに!!
2018年02月22日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート4🌟

はじめに
 前回のコラムでは、エネルギー源の「糖質」についてお話しました。
 今回はもう一つのエネルギー源である「脂質」の働きや機能についてお話したいと思います。
 邪魔者扱いされやすい「脂質」ですが、本当に不要なものなのでしょうか?
 
目次
・脂質とは?
・おわりに

◆脂質とは?
その1 脂質の働き
 脂質の主な働きはエネルギー源となることです。一方で水には溶けないという性質を持つ脂質は細胞の膜を形成して細胞の維持、物質の運搬、さらにはコレステロールとなり様々な生理作用があります。
 脂質は体重の約20%(アスリートはもっと少ない)程度、体脂肪として貯蔵されています。脂質1gあたり約9kcalのエネルギー源となるので、脂質を効率よくエネルギー源として利用することは、糖質の節約の上でとても重要な要素といえます。
 
その2 脂質の消化と吸収
 脂質を豊富に含む食品として、「肉」、「魚」、「油」などが挙げられます。
 脂質は分解されてトリアシルグリセロール(中性脂肪)という形で小腸から吸収され、血中に取り込まれます。また、たんぱく質などとくっつき、コレステロールなどの物質が作られます。コレステロールはホルモンやビタミンDの材料にもなるため、身体づくりのためには不足は避けたい栄養素となります。
 一方で気をつけなければいけないのは、「体脂肪」の増加です。体内で余ったエネルギー源は最終的には中性脂肪となり、「体脂肪」として蓄積されます「たんぱく質」、「糖質」、「脂質」は適量摂取を心がけ、「体脂肪」の過度な増加には注意しましょう。
 
その3 脂質の必要量
 脂質の最低限の必要量は体内で作ることができない必須脂肪酸を維持できる量と考えられています。
 一般的に脂質はエネルギー摂取量の20〜30%といわれています。すなわち、4000kcalであれば800〜1200kcal分を摂取することになり、1gあたり9kcalとすれば、約90〜130gの脂質が適切な摂取範囲となります。しかし、エネルギー摂取量が多いアスリートでは、現実的な食事を作ることも踏まえて30%を超えることもあります。
 
◆おわりに
 一般的な健康面では邪魔者になる「脂質」ですが、エネルギー源や様々な生理作用をもつ「脂質」は削れば良いというわけではありません。
 また、極度に脂質を取り除いた食事は美味しさという面では物足りないのではないでしょうか。「脂質」と上手な付き合い方をして、食事の楽しみと競技を両立させていけると良いですね。
 
 メタボリックシンドロームなどの健康面については全く触れていませんが、それはまた別の機会にお話しできればと思います。それでは次回もお楽しみ
2018年01月18日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート3🌟

はじめに
 新年、あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
 さて、前回のコラムでは、「たんぱく質」についてお話しました。
 今回は運動時のエネルギー源として重要な「炭水化物」の働きや機能についてお話したいと思います。
 本年も引き続き、知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。

目次
・炭水化物とは?
・おわりに

◆炭水化物とは?
その1 炭水化物の働き
 炭水化物の主な働きは活動時のエネルギー源になることです。しかし、意外と知られていないのは、厳密には「炭水化物=糖質」ではないということです。
 エネルギー源になる炭水化物ですが、大別すると「糖質」と「食物繊維」に分けることができます。「糖質」はグルコースを中心に1gあたり約4kcalのエネルギーになるのに対して、「食物繊維」は1gあたり0〜2kcalとされています。したがって、運動時のエネルギー源としては、「糖質」の摂取量を考える必要があります。本コラムで食物繊維は取り上げませんが、食物繊維には様々な生理作用がありますので、とらなくても良いという訳ではありません。
 
その2 糖質の消化と吸収
 糖質を豊富に含む食品として、「米」、「パン」、「麺類」、「いも類」「果物」などが挙げられます。
 糖質は唾液中に含まれる「アミラーゼ」という酵素により最初の消化が行われます。米を噛めば噛むほど甘く感じたことはないでしょうか?アミラーゼにより米に含まれるデンプンが消化され、麦芽糖という糖に分解されることから、甘みを感じることができます。
 その後、胃腸を通る中で分子レベルの消化が行われ、糖質はやがて「グルコース等の単糖」まで分解されます。小腸から吸収されたグルコースなどは肝臓に取り込まれ、全身のエネルギー源として使われます。また、肝臓や筋肉には糖質が蓄えられていますが、この糖質を「グリコーゲン」といいます。
 
その3 糖質の必要量
 糖質の必要量は個々の活動量によって大きく変化すると考えられています。しかし、活動量が多いアスリートでは一般人の摂取量に比べて、十分な摂取量が必要になります。
 一般的に糖質量は体重あたりで摂取量が定められています。一般的にエネルギー消費量が多くなる持久系競技や強度が高い競技で必要量が高くなります。いくつかガイドラインはありますが、多くの競技では体重1kgにつき「5〜7g/日」、持久系競技や高強度の競技では体重1kgにつき「7〜12g/日」と示されています。
 
◆おわりに
 エネルギー不足で運動をすると筋肉の分解が進むことはよく知られています。前回コラムで取り上げた「たんぱく質」をどれだけとっていたとしても十分な「糖質」などのエネルギー源がなければ、筋肉は思うようにはつきません。
 
 今回は1日分の糖質摂取量を示しましたが、短時間のエネルギー回復(例えば試合と試合の間など)を図る場合など、現場では様々な状況があります。ガイドラインには短時間の回復についても示されていますが、本コラムでは割愛致します。不十分な点もありますが、セミナーなどを通じてまたの機会にお話しできればと思います。それでは次回もお楽しみに!!
2018年01月11日 09:30