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🌟基礎栄養学講座パート2🌟

はじめに
 前回のコラムでは、「エネルギー」についてお話しました。
 今回は身体作りに必要と言われる「たんぱく質」の働きや機能についてお話したいと思います。
 知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください

目次
・たんぱく質とは?
・おわりに

◆たんぱく質とは?
その1 たんぱく質の働き
 たんぱく質の主な働き身体の構成成分となることです。
 体重の約60%は水分ですが、次いで多いのがたんぱく質で体重の20%ほどになります。筋肉や内臓だけでなく、骨など身体の至る部分の構成成分になっているたんぱく質はまさに身体づくりに必須の栄養素と言えるでしょう。
 
その2 たんぱく質の消化と吸収
 たんぱく質を豊富に含む食品として、「肉」、「魚」、「卵」、「大豆・大豆製品」などが挙げられます。また、「主食」は摂取量が多いことから、たんぱく質の摂取源にもなります。
 食事を食べて「噛む」という動作が最初の「消化」になります。その後、胃腸を通る中で分子レベルの消化が行われ、たんぱく質はやがて「アミノ酸」まで分解されます。すなわち、「たんぱく質」と「アミノ酸」は吸収される段階では同じものになります。また、人間は動物なので、動物性の食品の方がより人間の体内のアミノ酸組成に近いため、「良質のタンパク質」と考えられています。
 
その3 たんぱく質の必要量
 たんぱく質必要量は体内のアミノ酸量を維持できる量と考えられています。すなわち成長期や筋肉量を増やしたいアスリートは通常の維持量に加えて、付加量が必要になります。
 一般的にたんぱく質量は体重あたりで摂取量が定められています。より筋肉の消耗が激しいパワー系競技で持久系競技より必要量が多くなると考えられています。また、成長期は成長分を加味して成人より10%程度増やすと良いと言われています。
 多くの研究が行われており、エビデンスには賛否ありますが、体重1kgにつき「1.5〜2.0g」と考えるのが妥当であり、食事レベルにも落とし込みやすい摂取量であると考えます。
 現在は摂取量よりもむしろ「タイミング」が重要と考える研究も多数見受けられることから、効率の良い増量を考える時のたんぱく質摂取は十分な勉強が必要かもしれません。
 
◆おわりに
 最後にたんぱく質を英語でいうと「プロテイン」と言います。サプリメントの一つであるプロテインの主成分は「たんぱく質」になります。また、多くの顆粒アミノ酸サプリメントもあります。
 日常の食事から摂取するたんぱく質、サプリメント成分としてのたんぱく質、アミノ酸、それら自体の体内での働きに違いはありません。
 
 現在の食習慣、食環境、そしてトレーニング内容、様々な観点からたんぱく質摂取を見直すことができると、より効率の良い身体づくりに繋がるのではないでしょうか。
 
 まだまだ書き足りないことはありますが、それはセミナーなどを通じてまたの機会に。それでは次回もお楽しみに!!
2017年12月19日 09:30

🌟基礎栄養学講座パート1🌟

はじめに
 これまでスポーツ栄養基本講座として10回に渡りコラムを掲載してきましたが、スポーツ栄養にご興味を持ってもらえたでしょうか?
 スポーツ栄養の理解を深めるためには、栄養学に関する多くの専門用語が出てきます。今さら人には聞けないような基本的なことから、勘違いしやすいことまで、基礎栄養学のいろは「い」についてお話していきたいと思います。
 
 ということで、今回のテーマは「エネルギー」について解説します。
 
目次
・エネルギーとは
・おわりに

◆エネルギーとは
 エネルギーは「摂取エネルギー(食べて補給できるもの)」と「消費エネルギー(活動することで失うもの)」に大別できます(エネルギーバランスについては以前のコラム、食事摂取量の考え方を参照)。
 
 「摂取エネルギー」は食品に含まれるたんぱく質、脂質、炭水化物から作られ、脳を動かしたり、筋肉を動かしたりと、生きるために、そして、スポーツをするため(消費エネルギー)に使われます。
 アスリートのように身体を動かす機会が多い場合は多くの摂取エネルギーが必要になるのはいうまでもありません。
 
 「消費エネルギー」は「基礎代謝」、「食事誘発性熱産生」、「活動エネルギー」に分けることができます。
 よく歳をとって代謝が悪くなったと言いますが、その代謝こそが「基礎代謝」のことです。「基礎代謝」は生きるために必要な最小のエネルギー量とされていますが、筋肉量が多い人ほど高くなります。「基礎代謝」が高いほど、同じ運動をしても多くのエネルギーを使うので、太りにくい身体と言えます。
 
 では「食事誘発性熱産生」とは何でしょうか?食べ物は食べたまま体の中に入ってくるわけではなく、必ず胃腸で消化され、主に小腸で吸収されます。その過程で消費するエネルギーを「食事誘発性熱産生」と言います。したがって、多くの食事量であればあるほど、「食事誘発性熱産生」が高まっていきます。食事の内容に多少の差はありますが、食べたエネルギーの約10%と考えられています。増量を考えるアスリートにとっては気を配る必要があるかもしれません。
 
 最後は「活動エネルギー」です。言葉の通り、簡単にいうと運動で消費するエネルギー量です。活動エネルギーは「運動強度」、「運動時間」、「身体の使用部位(筋肉の動員量)」に依存すると考えられています。アスリートは一般人と比べて、この活動エネルギー量の差が大きいと言われています。
 成長期のアスリートは成長分のエネルギーに加えて、部活動でも多くのエネルギーを使います。
 
◆おわりに
 今回はエネルギーについてお話をしました。
 体重増減とエネルギーの話は以前のコラムを参照してください。どうしても体重の増減が目標通りにいかないと悩んでいる方、摂取エネルギーの内訳と消費エネルギーの内訳を見直してみてはいかがでしょうか。
 厳密に内容を分析する必要はありませんが、まだ、自分の中で変えることができることはないでしょうか?
 
 基礎を学びなおすことで、今、足りていないことを見直すきっかけになればと思います。それでは次回もお楽しみに!!
2017年12月12日 09:30