🌟基礎栄養学講座パート5🌟
前回までのコラムでは、三大栄養素(最近ではエネルギー産生栄養素という)である「たんぱく質、脂質、炭水化物」についてお話しました。
今回は代謝機能や体調管理に重要な「ビタミン」の働きや機能についてお話します。
今後も引き続き、知っているようで知らない基礎栄養学の世界をお楽しみください。
目次
・ビタミンとは?
・おわりに
◆ビタミンとは?
その1 ビタミンの働き
ビタミンは多くの種類があり、それぞれに異なる働きがあります。ビタミンと広義で考えると、主な働きは体内の様々な代謝機能を助けたり、抗酸化作用のように直接的に働いたり、体調を整えるために働きます。
ビタミンを大別すると油に溶けやすく、水に溶けにくい「脂溶性ビタミン」と水に溶けやすい「水溶性ビタミン」の2種類があります。「脂溶性ビタミン」はビタミンA、D、E、Kがあり、「水溶性ビタミン」は主にビタミンB群、Cがあります。
その2 ビタミンの消化と吸収
「脂溶性ビタミン」は油に溶けやすい性質があるため、油を使用した料理にすることで、体内に吸収されやすくなります。主に緑黄色野菜に多く含まれる栄養素であり、例えばほうれん草などの青菜も単に茹でて食べるより、バターなどで炒めて食べることで効率よく「脂溶性ビタミン」を吸収することができます。油を摂りすぎたくない場合は、肉や魚と一緒に食べるということでも良いでしょう。
「水溶性ビタミン」は水に溶けやすい性質があるため、調理による損失に気をつけることで、体内に取り込む栄養素が増えます。例えば、水洗いや水に浸すということでも損失することが知られています。葉物に比べ、いも類は損失が少ないことも知られており、調理方法によって素材を使い分けるのも良いでしょう。また、汁物は汁中に溶け出しますが、汁まで飲むことで「水溶性ビタミン」を摂ることもできます。
その3 ビタミンの必要量
ビタミンは微量でも体の生理機能を調節する物質ですが、種々のビタミンによってその必要量は異なります。
摂取不足により体内の生理機能を失い、何かしらの欠乏症状が見られない量が現在の最低限の必要量と考えられています。日本人では、今のところ、欠乏症はほとんど報告されていませんので、最低限の必要量は摂取できていると思われます。
ただし、この最低限というのは生きていく上での必要量となりますので、体内の生理機能を最大限に発揮する、運動により多くのエネルギーが必要になるなど、体内のビタミンが多量に必要な場合には、当然ビタミン不足といえます。厳密な必要量を決めることは大変困難になりますが、成長期の子供やアスリートの皆さんは積極的にビタミン摂取することをおすすめします。
◆おわりに
今回はビタミンの基本的な考え方と最低限の必要量をお伝え致しました。
一方で通常の食事のみではおそらくありませんが、プロテインをはじめサプリメント類を摂取している方は、欠乏とは別に単一の栄養素を過剰摂取する可能性があります(相対的栄養不足を含む)。
特に複数のサプリメントを使用している場合には1日の総量に十分注意して、可能であれば管理栄養士などに相談の上ご使用ください。
以下に、それぞれのビタミンの欠乏症と過剰症を掲載しておきますので、まずは参考にしてください。それでは次回もお楽しみに!!
2018年02月22日 09:30