はじめに
スポーツ栄養コラムの第4回目にして、ようやくたどり着きました「アスリートにとっての食事の意義・目的」というテーマです。
今回は、選手目線で食事の考え方について解説したいと思います。
目次
・アスリートにとっての食事の意義・目的とは
・おわりに
◆アスリートにとっての食事の意義・目的とは
これまで競技レベルも様々、年齢も様々、多くの選手サポートをしてきましたが、アスリートの食事の目的は最終的には3つに絞ることができます。
①身体づくりのため
毎日の練習や試合で十分な「回復」を促し、日々リカバリーをして身体づくり(筋肉量・筋力を増やす、体力をつける)をすることです。日々、適切な回復をすることで毎日の練習の質を高め、結果的には競技力向上にも繋がります。
また、成長期の選手は適切な成長を促すためにも十分な栄養補給が必要です。
②競技能力を発揮するため
毎日の練習の成果を「試合」や「競技会」で発揮するための栄養補給です。今までの積み重ねてきたことを本番でもできるように、日々の疲労をリセットする、「試合」に向けた準備をすることです。
大切なことは、日々の身体づくりができていることが「大前提」になります。普段できないことが突然できるようになる「魔法の食べ物」は存在しません。
③体調管理(コンディショニング)のため
日々の身体作りができていれば、自然とできてくることですが、例えば夏の熱中症予防、冬の風邪予防、貧血予防など、アスリートは一般の方よりも栄養不足に陥りやすい状態になります。また、なるべく起こってほしくはないですが怪我や障害もゼロとは言い切ることはできません。
そういったことを最小限に食い止める、回復を最大限に高めるためにも栄養・食事が関係しています。
◆おわりに
今回はアスリートにとっての食事や栄養の目的・意義についてお話し致しました。最後に3つの目的をよく読み直してもらえればと思いますが、最も大切なことは「日々の身体づくり」のためです。
適切な身体づくりができていれば競技力向上にも繋がりますし、怪我のしにくい身体ができます。食事は薬ではありませんので、いきなり成果が出るということも期待できません。
だからこそ、毎日の小さな積み重ねが大切です。目に見えない、記録に現れないからといって投げ出すのではなく、自分の力として積み重ねていけるといいですね。
2017年10月03日 09:30