🌟基礎栄養学講座パート1🌟
はじめにこれまでスポーツ栄養基本講座として10回に渡りコラムを掲載してきましたが、スポーツ栄養にご興味を持ってもらえたでしょうか?
スポーツ栄養の理解を深めるためには、栄養学に関する多くの専門用語が出てきます。今さら人には聞けないような基本的なことから、勘違いしやすいことまで、基礎栄養学のいろは「い」についてお話していきたいと思います。
ということで、今回のテーマは「エネルギー」について解説します。
目次
・エネルギーとは
・おわりに
◆エネルギーとは
エネルギーは「摂取エネルギー(食べて補給できるもの)」と「消費エネルギー(活動することで失うもの)」に大別できます(エネルギーバランスについては以前のコラム、食事摂取量の考え方を参照)。
「摂取エネルギー」は食品に含まれるたんぱく質、脂質、炭水化物から作られ、脳を動かしたり、筋肉を動かしたりと、生きるために、そして、スポーツをするため(消費エネルギー)に使われます。
アスリートのように身体を動かす機会が多い場合は多くの摂取エネルギーが必要になるのはいうまでもありません。
「消費エネルギー」は「基礎代謝」、「食事誘発性熱産生」、「活動エネルギー」に分けることができます。
よく歳をとって代謝が悪くなったと言いますが、その代謝こそが「基礎代謝」のことです。「基礎代謝」は生きるために必要な最小のエネルギー量とされていますが、筋肉量が多い人ほど高くなります。「基礎代謝」が高いほど、同じ運動をしても多くのエネルギーを使うので、太りにくい身体と言えます。
では「食事誘発性熱産生」とは何でしょうか?食べ物は食べたまま体の中に入ってくるわけではなく、必ず胃腸で消化され、主に小腸で吸収されます。その過程で消費するエネルギーを「食事誘発性熱産生」と言います。したがって、多くの食事量であればあるほど、「食事誘発性熱産生」が高まっていきます。食事の内容に多少の差はありますが、食べたエネルギーの約10%と考えられています。増量を考えるアスリートにとっては気を配る必要があるかもしれません。
最後は「活動エネルギー」です。言葉の通り、簡単にいうと運動で消費するエネルギー量です。活動エネルギーは「運動強度」、「運動時間」、「身体の使用部位(筋肉の動員量)」に依存すると考えられています。アスリートは一般人と比べて、この活動エネルギー量の差が大きいと言われています。
成長期のアスリートは成長分のエネルギーに加えて、部活動でも多くのエネルギーを使います。
◆おわりに
今回はエネルギーについてお話をしました。
体重増減とエネルギーの話は以前のコラムを参照してください。どうしても体重の増減が目標通りにいかないと悩んでいる方、摂取エネルギーの内訳と消費エネルギーの内訳を見直してみてはいかがでしょうか。
厳密に内容を分析する必要はありませんが、まだ、自分の中で変えることができることはないでしょうか?
基礎を学びなおすことで、今、足りていないことを見直すきっかけになればと思います。それでは次回もお楽しみに!!
2017年12月12日 09:30