★スポーツ栄養の基本講座パート6★
はじめに前回コラムはご覧いただいたでしょうか?
今回も引き続き、スポーツ栄養に関するIOCの合意声明2010を取り上げたいと思います。重ねて言いますが、2010は古いんじゃないかと考えている方・・・古いのではなく、この声明が原点になっているということをおさらいしておきます。
是非、原点を知った上で、皆様一人一人に合わせて改良してもらえればと思います。
目次
・スポーツ栄養に関するIOCの合意声明2010 〜パート2〜
・おわりに
◆スポーツ栄養に関するIOCの合意声明2010 〜パート2〜
今回はこの合意声明の2節をご紹介します。
「必要なエネルギー量はトレーニング量や試合予定、季節や日によって変化する。多くの種類の普通の食品から必要なエネルギーを摂れば、練習や試合に必要な炭水化物、たんぱく質、脂質、そして微量栄養素が摂れる。正しい食事によって、スポーツで勝つための望ましい体格や体組成が得られる。体調や運動能力に悪影響を及ぼすような栄養素の不足を防ぐために、栄養素の豊富な食品を注意深く選ぶことは、特に体重や体脂肪率を減少するためにエネルギーを制限している時には重要である。」
この1節には「食品」という言葉がしばしば出てきます。
スポーツ選手は特別な食べ物を食べたり、サプリメントが絶対に必要だと考えたりする方も少なくはありませんが、まずは「普通の食品」を見直してみませんか?
重要なことは、「多くの種類の食品を食べる」ということ・・・ようは好き嫌いをせず、バランスよくご飯も肉も魚も、そして、野菜や果物も食べていけば、多くの種類の食品を食べることに繋がります。バランスのとれた食事の大切さは、世界中に発信される声明でも最初に紹介されていることがわかります。
次に出てくるのが、「必要なエネルギーを摂る」ということです。この1節にもありますが、スポーツ選手は日々必要なエネルギー量が変化しています。たくさん動いた日はそれに見合ったエネルギーを、あまり動かなかった日はその分エネルギーを抑えるという工夫も必要かもしれません。
ではどうすれば必要なエネルギー量がわかるのか・・・というのは次回以降の話題として残しておきたいと思います。
◆おわりに
今日おさらいしておきたいのは、スポーツ選手は特別な食べ物を食べるわけではないということです。
必要なエネルギー量(食事の量)を、多くの種類の普通の食品(食事の質・バランスの良い食事)から食べれば、練習や試合に必要な栄養素は摂れるということです。今回の1節の特殊な事例として挙げられているのは、減量のようなエネルギー制限をする場合は、栄養密度の高い食品を注意深く選ぶとあるだけです。
まずは日常の食生活の見直しから始め、本当に必要になった時に特別な食品を探すことに手を出してみてはいかがでしょうか?
次回は適切な食事の量の考え方についてお話しできればと考えています。
次回もお楽しみに!!
2017年10月24日 09:30